始める前に確かめること
壁を塗る前に、まずその壁を塗ってよいかを確かめます。賃貸なら契約書と大家さんの同意が先で、退去時に原状回復を求められることがあると承知したうえで始めましょう。次に壁の状態を見ます。カビがあったり湿気でしみが広がったりしている場所は、塗料で覆ってもまた浮き出てきます。原因の湿気とカビを先に解決しなければなりません。壁紙の上から塗る場合は、壁紙の種類も大事です。表面がコーティングされた壁紙は塗料がつきにくいことがあるので、専用の下塗り材が必要かどうか、塗料メーカーの案内を確認してください。
どれだけ買えばいいか
塗料の缶には、ふつう一缶で塗れる面積が書かれています。塗る面積に塗り回数を掛け、その値で割るとおおよその必要量が出ます。壁の面積は、壁ごとに横の長さと天井の高さを掛けて足し、ドアと窓の面積を引きます。計算が面倒なら面積計算ツールを使えば簡単です。壁の吸い込みや色の差によって多めに要ることもあるので少し余裕を持って用意し、同じ色を後から別に買うと色味が微妙に違うことがある点も覚えておきましょう。
- 壁ごとに横 × 高さを出して足す
- ドア・窓の面積を引く
- 塗り回数(ふつう二回)を掛ける
- 缶に書かれた塗布面積で割る
道具と養生
作業時間のかなりの部分は、塗る前の準備に使われます。家具は部屋の中央に寄せるか外に出し、床と家具はビニールや布で覆います。幅木、窓枠、コンセントカバー、スイッチなど塗らない部分は、マスキングテープで境目を貼っておきます。コンセントやスイッチのカバーは外したほうがきれいに仕上がりますが、そのときはブレーカーを落とすと安全です。広い面に使うローラー、隅や境目に使う小さな刷毛、塗料を取り分けるトレー、安定した脚立、手袋と保護メガネを用意します。
下地処理が仕上がりを決める
塗料を長持ちさせるには、壁が清潔で乾いていて滑らかであることが必要です。ほこりは乾いた雑巾で、台所近くの油汚れは中性洗剤を含ませた雑巾で拭き、完全に乾かします。釘の穴や小さなへこみはパテで埋め、乾いたら紙やすりで軽く整えます。暗い色の上に明るい色を塗る場合、つやのある面、新しく埋めた箇所が多い場合は、先に下塗り材を塗ると色が均一に出て、塗り回数も減らせます。この工程を飛ばすと、しみが透けたり数か月後に塗膜が浮いたりする原因になります。
塗る順番
塗るのは上から下へ、境目から広い面へ進めます。天井も塗るなら天井が先、壁が後です。壁はまず刷毛で隅とテープの境目に沿って帯状に塗り、そのあとローラーで広い面を埋めます。ローラーには塗料をたっぷり含ませるより、トレーで均一に転がしてほどよく付け、ひとつの区画をいろいろな方向に重ねて広げてから、最後に上下一方向に整えると跡が残りにくくなります。ひとつの面は途中で休まず最後まで塗ると、乾いた部分と濡れた部分の境目ができません。
- 天井 → 壁 → 枠・幅木の順
- 刷毛で境目を先に、ローラーで広い面を後に
- ひとつの面は休まず最後まで
- 最後のローラーは一方向に
二度塗りし、しっかり乾かす
一度に厚く塗ると垂れやすく、乾くのに時間がかかり、表面もむらになります。薄く一度塗って十分に乾かしてからもう一度塗るほうが、色も均一で丈夫です。重ね塗りまでの待ち時間は塗料の種類や温度、湿度によって違うので、缶に書かれたメーカーの案内に従ってください。寒い日や湿気の多い日は長くかかります。マスキングテープは最後の塗りが完全に固まる前に、斜めにゆっくりはがすと境目がきれいに残ります。完全に固まってからはがすと、塗膜ごとはがれることがあります。
換気と後片付け
室内用の水性塗料でも、作業中と乾いてからしばらくはにおいがするので、窓を開けて十分に換気します。作業中にめまいや頭痛がしたら、すぐに休んで外の空気を吸ってください。小さな子どもやペットは、においが抜けるまで別の部屋にいるほうが安心です。水性塗料に使った道具は、乾く前に水で洗えば再利用できます。余った塗料や塗料の混ざった水を排水口やトイレに流さないでください。少量なら固めて捨てるなど処分の方法は地域によって違うので、お住まいの自治体の案内を確認するのが確実です。余った塗料を少し保管しておくと、後で小さな傷を塗り直すときに便利です。
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